オッサンの毎日 2004/1〜12月分

                                  
 

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                                                  12/11

                                誰にもいえない

 
 真っ赤な夕陽を見たくなりました。なんとなく・・?
いえ、そうではありません。理由はあります。

 突然ですが、ぼくはだいだい色が好きです。好きな色は?と、問わ
れたら、即座にそう答えます。そしてだいだい色に染まって落ちてい
くあの夕陽が大好きです。ただ、夕陽は、落ちていくだけ、なんだが
すこし悲しくもあります。もちろん悲しい夕陽が好きなはずはありま
せん。でもその悲しい夕陽は、悲しさを薄めてもくれます。少なくて
も僕の中では。

 年末にかけて、身辺は、例年のごとくワサワサしています。みなさ
んもきっとそうなのでしょうね。あのね、実を言うと、僕はそれほど
ワサワサしなくてもいいのです。それほど、いつもとかわらないので
すから、でも年末です。ですからキチンとワサワサしているのです。

 世間なみに忙しい振りをしているある日、友人からメールをもらい
ました。近くに住む友人です。ただし友人といっても、まだ一度もお
会いしたことがありません・・・・いつもの冗談ではありませんよ。
僕にとっては数少ない友人のひとりなのです。いつも一方的なんでね
、僕の友人の定義は。

 友人の優さんは、仲良しの愛犬テツと同居しています。メールでの
お知らせは、内容は、その仲良しのテツが逝ってしまったとのことで
した。ぼくは、ぼくはけっこう正直に落ち込みました。いつもそうな
んです。他人事が他人事でなくなってしまいます。迷惑かもしれませ
んね。でも受け止めてしまします。真正面から。こうしてマガジンの
文章を書いていても、やはり悲しさは波のように、繰り返し押し寄せ
ます。

 たかが犬ではないか、そんな声が聞こえてきます。ほんとうにそう
思いますか。僕たちたかが人間が、ほんとうにそう言えるのでしょう
か。言えませんよね。

 まことに、まことに残念なことだけどね、彼ら犬族とは、人間の僕
たちはそれほど細やかにコミニュケーションが取れるわけではないの
です。そのぶん、たくさん、思いやることが必要だとぼくは考えてい
るのです。

 僕は一方的に飼い犬に愛情を注ぎます。誰がなんと言おうともね。
かれらは目で、動作で、訴えます。ぼくは一生懸命その訴えに応えよ
うと努力します。それがすこし過保護になったり、愛情過多になった
りもします。でもすくなくても嫌われることはありません。

 さて僕のように、少し世間様と違った、感情や表現や行動を理解し
てもらうことは難しくもあります。またそれを、あれこれと一生懸命に
ね、説明し、そしてナントカ理解してもらおうともおもいません。どだ
い無理な話だからです。

 写真でしか見たことがない愛犬テツ、そして顔も知らない友人。オ
カシイと思われますか。そんな彼らの悲しみを共有することが、オカ
シイでしょうか。いまでも友人からのメールに返信をできずにいます。
言葉が探せないのです。

 夕陽をみに行きました。夏のような12月です。夕陽はいろいろな
ことを思い出させてくれます。僕には消えてなくなってほしい記憶が
たくさんあります。でもどうしても、ドラッグアンドドロップでゴミ
箱に入れることができません。そんなに都合よく僕の脳みそ回路は
出来ていないのです。

 たったいま、作ってから一度も、そしてこれからも、開くことのな
いフォルダに、一つファイルを落としました。ファイル名は「tetu」

                             深津 勝

 

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                                                            11/28

                                 ぶつぶつと独り言

 ぶつぶつ ぶつぶつ ぶつぶつ 最近何かにつけて文句を言うこ
ことが多くなった気がします。テレビを見ていてもそうだし、街を
歩いていても、散歩をしていてもそう、なんだかひどく歳をとった
老人のようです。 

 けど・・ぼくはそれほど年寄りでもないのです。まだ50台前半で
すから。しかしですよ、あまりいつもいつも、家のあっちこっちで
文句を言っていると、最近のわが家のようになります。なってしま
います。え?、どうなるのか教えろって。はいはい。

 どういう光景かというとですね、たとえばテレビを見ていてです
よ。たとえば

■この役者は性根が腐っている!
■くそ!涙が出るぜ!いい番組だ!ウム!
■アナウンサーの表現がオカシイゾ!
■日本語をもっと勉強しろ!
■犬の心は母心、押せば命の泉沸かない!
■なぜどこの局も、いっしょにコマーシャルになるんだ!許せん!!
■占い師は自分の占いを公表しろ!
■きょうのワンコの収録時間が短すぎる!犬好きをなんと心得る!!
■この歌手は3番まで自分の歌を歌えないぞ、きっと、ははは?
■「OK牧場の決闘」の映画を見たい。今見たい!すぐ見たい!
■こぶ平と一緒に二木ゴルフのコマーシャルに出ている女は誰だ?
■斬りーー・切腹ーー

 これらはほんの一部ですが、こんな調子で見ている間中、ぶつぶつ
ギャアギャア・ワーワーと、激しく騒いでいるのです。

 そんなことで、娘はさっさと自分の部屋に引き下がって専用のテレ
ビのスイッチを押し、妻は目を吊り上げ、わざと大きな音で食器を洗
い始める。飼い犬は家中を駆け回ってオシッコをかけ放題にし、それ
を見ていた隣のバカ猫が面格子の向こうでニヤニヤ笑っている。いっ
たいなにが可笑しいんだか・・?

 ま、つまりいろいろなぶつぶつがウルサイので、家人のそれぞれが
自室へ行ってしまうのですね、はやい話が。しかし家人のそれぞれが
自室で、やっぱしそれぞれとも同じ番組をみているといった、ときど
きではあるがそんな状況がなんともったいなく、いやそれ以上に日常
ではないそんな光景が展開をしているです。そうなのです。

 しかし、しかーーーーし、ここはやはり日常をテーマに、日々精進
を続けているオッサンとしては、キチンとしなければいけません。い
けませんとも。であるからして考えました。

 ナントカ努力をして、日々・時間時間・分分・秒秒の・・ぶつぶつ
を集め、ナントカ努力をして溜めておき、そのまとめたぶつぶつを散
歩の時に吐き出してはと。なんともこのオッサンの考えはすばらしい
のではないか!!いやじつにスゴイ。考えの視点が斬新だ。エライ。
とばかり自画自賛したのでした。はい。

 じつはね、数日前に計画を実行をいたしました。努力に努力を重ね
、口をへの字に結び、鬼のような我慢顔でテレビを見ている僕を、カ
ミさんと飼い犬とカラスと隣のバカ猫が冷たい細目で眺めていました
っけ。

 さて散歩はいつもどおり、順調にその出発を始めました。しかしす
ぐ前の雑木林に入ると、僕は我慢に我慢を重ねていたあれこれを、怒
涛のごとく、一気に・・もちろん人目を気にはしましたよ。一気に我
が飼い犬を相手に、そしてカラスに向かって、はたまた年がら年中た
だ黙って突っ立っている木々に向けて喋り始めたのです。

そして・・・あのさぁ、思い出しながらなんて、そんなに喋れわけな
いじゃなーーーい。いい考えだと思ったけどザンネーーーン。なんて
、やはりぶつぶついいながら散歩していると、突然あたりが暗くなり
目の前に大きな光の球が現れ、中から吉永小百合が出てきました・・
すいません。ちょっと疲れ気味なので頭がいつも以上に壊れています。

 とにかく、カラスの野郎から、木のかけらを頭にぶつけられそうに
なったり、幻覚をみたり、飼い犬と、人の目を気にしながら連れショ
ンをしたり、やっとの思いで家にたどり着きます。しかし幻覚はまだ
つづいているようで、玄関をあけると、そこには満面の笑みを受けべ
たカミさんが立っていたのです。
 
 「あのね、これからもズーーットね、家でぶつぶつ言っていいから」
 「よそで、犬相手にぶつぶつは言わないのね」

 と、やさしく僕に語り掛けました・・・・
 
 誰か知り合いに見られたのかなぁ。

 

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                                           10/19
  
             星空

南側が前面、下か上までガラスの壁面です。すぐ横のベッドからの
眺めは最高、空は星だらけ、眼下は海原のみ。

夜、ベッドに横になり、星を眺め、なんだかいろんなことを考えながら
そのまま寝てしまう。

朝、5時52分、やはりベッドに横になりながら、昇る朝日を・・ほんとは
キチンと正座して手を併せ「アリガタイ、アリガタイ」などといいながら眺
めないといけないのだろうか。などと考えながら、それを迎える。

なんとも豪華な旅でした。

気がかりは訓練所に入れたケンタクンのことです。 あ、そうか、始めて
の読者には説明が必要ですね。あのね、ケンタクンとは我が家の飼い
犬のことなのです。わがままで、時々北の空を見上げながら遠吠えをし、
そして涙ぐむ、なんとも人間に近い感情を持つ犬なのです。

しかし、わがままが最近ひどいので、いい機会とばかし訓練所に預けま
した。そして昨日、戻って荷をほどき、用意を整えてから、早速電話をし、
訓練所のお兄さんに我が家にて連れてきてもらいました。

我が家の門(小さな)を入ったとたん・・・ケンタクンは、なんだか悲しそう
な目で(ほんとうにそう思いました)ワオーーンと奇妙な泣き声をだし、そ
して、唐突に私の手を噛みました。

もちろんそれほど強くではありませんよ。強くはないのですが・・・痛かった
のです。なんだかズシンと心臓の辺りが、痛かったのです。

自宅から見上げる空には、もう星がありません。 そうだ、考えてみたら、
僕は星の名前などぜんぜん知りませんでした。

ひとつ流れ星を見っけました

 

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                やれやれです          2/07

 百円ショップに行きました。あれこれあれこれと、なんだかとん
でもなく散財したのではないかと思うほどいろいろ買ってもですよ、
なんとなんと2000円でおつりがきました。それはもう僕にとっ
てはとんでもなくあれこれあれこれ買ったのにです。

 なんとも嬉しいですね。百円ショップバンザイ!ただちょっと残
念なのはね。この店は大きな町の大きな集合住宅の大きな店舗の1
・2階をアジトにしているんだけどね。なんと駐車場がないんです。
でね、通りのパーキングでは1時間3百円取られるの。けど優良運
転手でゴールド免許でそんでもって更新が5年に一回のぼくは(だ
からなんなんだ)あ、いえ、ちょっと自慢なのです。まぁ、である
からして違法な駐車はできないのでありまして。でもって300円
払うわけです。

 でもねぇ、あの、百円ショップで買い物するのにね、300円の
駐車料金支払いは・・・あの、その、やはり、そうとうの覚悟がい
りますね。だって300円あればですよ、例えばあと3枚オールデ
ィーズ(僕の好きな50年代)のCDが買えるし、あるいは土瓶に茶
碗に湯飲みの3点セットが揃えられるし、はたまたチリトリ・箒・
ハタキの黄金の掃除三点セットも揃えられるじゃぁありませんか、
なんとも考えちゃいます。
 
 ここはひとつ相談なんだけど、百円ショップさん。できればその
町の有力者と結託してですね。あ、いや、結託はまずいな、御相談
なさってですよ。そのお店の前のパーキングはね、やはりなんです
ね100円(1時間)にすべきじゃぁござんせんかねぇ、えぇーど
うでやんすか。ハハハハ。

 さてさてぽかぽか陽気の帰り道、ずっと昔だけど、けっこう仲良
く楽しくいっしょに暮していた太郎君のお墓に寄りました。当時の
我が家はうんと狭く、太郎君がある日突然なくなっても、埋める場
所がなかったのです。しかたなく動物専門の墓地に埋葬しました。

 近くなんでね、僕は時々寄るのです。その日も線香とお花をもら
い、太郎君が眠っている共同墓地に捧げました。当時はね、いまほ
ど生活に余裕がなくてね。自前の墓地などもてないので共同墓地に
埋葬したんだ。仲間がいた方がいいんだなんてね、強がりを言った
のを思い出した。

 共同墓地の石像を見ていたらいろんなことを思い出しちまった。
なさけないのだけど、ここんとこみょうに涙もろい。なんだか頭の
奥のほうがうんと熱くなり顔を両手で押さえた。ゴメンヨ、ゴメン
ヨ、ゴメンヨ・・・そんな言葉だけ、口からあふれ出る。


                                  深津 勝

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                           それほど?              1/31

 大空を見上げている。散歩の途中、いつもの道、ぼくは見上げて
いました。ケンタクンもいっしょに見上げています。

 コースは時々変わるけど、ケンタクン最近はこの飛行機雲が見え
るコースがお気に入りなのです。もちろんその日によって、つまり
仕事によってと言うことだけど、散歩に出る時間はまちまち、だか
ら毎日飛行機と遭遇するといったわけでもないんだけどね。でもこ
こんところ暇なのでね、そう、だから昼ごはんを食べてすぐ出かけ
ることが多いんです。

 それでね、空のとんでもなく高いところで、飛行機が三本の飛行
機雲を残しながら、毎日だいたい同じ時間に同じコースを、そいつ
は西の方向へ進んでいくんだ。ほんとうにね毎日同じコースなんだ。

 そいつはとんでもなく高いところを飛んでいるのでね、だから機
種はわからない・・・なーんちゃって、ほんとうのことを言うと、
ぼくは飛行機にはそれほど詳しくなく、だから低い所を飛んでいよ
うとね、どんな飛行機だかわかるはずもないのですね。

 さて、どうしてなのかなぁ、ぼくはね、飛行機雲が好きです。つ
いつい見上げてしまいます。それもけっこうな時間をね。その何て
いったらいいのかなぁ、ボケーーーット上を見上げているのです。

 そのわりには、大きくなったらパイロットになるんだとか、戦闘
機にのって国を守るんだとか、そんなことは小さい自分に思ったこ
とがない。記憶にない。ただ好きなんだな。

 そういえば、昔は小型飛行機が家の近所をよく飛んでいた。ビラ
を撒きに飛んでくるんだ。近所のガキ連中は、ビラをどれだけ拾っ
たかを競う為、あっちこっちと走り回り拾いあった。ぼくは一度、
危なく山手線の線路に落ちそうになった。

 今の子供たちはどんなだろうな。家の近所にだよ、飛行機が飛ん
できさ、それでもってビラを撒いたりしたらどんな風に思うのだろ
うね。

 

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                       喉が痛い           1/24

 なんとなんと、オッソロシクしぶとい風邪菌にとっつかれてしま
いました。そんなことでいまのぼくは、この屋根裏で、それはもう
オッソロシク奇怪な格好でパソコンに向かっています。

 頭には毛糸の帽子・・・ちょっと説明が要るな。この帽子はね、
ズズズズズーーと手で引っ張り下げると、顔全体を隠すことが出来
るほど伸びるんです。だからそのつど適当な加減をして下げ止める
のがコツなんだな。でね、後ろを引っ張りながらゆっくりと目が見
えるように前を空け、あとは後ろだけズズーーット下げるようにす
るの、そうする後ろは暖かくて快適、前はディスプレイがキチンと
見える、こういう風になります。

 上半身は肌着以外になんと6枚も重ね着し、それからそれから下
はですよ、カミサンが近所の量販店で買ってきた毛糸のパンツをね、
これまた途方もなく暖かいヘンテコな生地のトランクスの上に穿い
ちゃっているんです。へへへ、毛糸のパンツだぜ。傍らには扇風機
のあったかいヤツ、名前なんつうんだっけ・・おもいだせない。ま
ぁいいや。とにかくその扇風機を置いてね。それでパソコンに向か
っているわけ。

 さて話はとんでもなく変わるけど、ひょっとして読者の皆さんは
思っていませんか?。なんだか今年のオッサン、キチンキチンと毎
週のようにマガジン書いているけど・・一体何時まで続くんだか・
・どーーせどーせ、もって半月だな!なーーーんてこと思っている
でしょ。図星だな。へへ、実はね、小生自分でもそう思っているん
でやんす。

 でもね、オッサンかなりひねくれものでもあってね。そんなふう
に、親愛なる読者の皆様に思われていると思うと・・かぜん頑張る
のですね。たとえ鼻水がキーボ−ドの上に落ちようともね。

 さて、ケンタクンも今年で6歳になります。もういっぱしの犬で
す。それでね、もう我が家の近所のケンタクン散歩エリアではね、
知り合いの家の臆病犬「ダイ」以外、離れている犬をトンと見かけ
なくなりました。つまり遠くから車で連れてきて、雑木林で飼い犬
を離す人がいなくなったと言うことです。

 そうだ、誤解をしないでほしいんだ。じつはね、以前、読者から
のお便りでね。離し飼いにするのがそんなに悪いことかというのが
あったんだ。昔からの長ーーーい読者なら、ある程度わかってくれ
ると思うけど。僕はね、根っからの犬好きでね、それこそ寝ている
ベッドにケンタクンが乗っかってきて身動きできず、往生していて
も許してしまうほど犬好きです。皆さんと同じ。できるものならそ
うしたいのです。

 けどね、人間もそうだけど、共生ということを理解して欲しいん
だ。犬もおなじ、どんな主義主張をね。飼い犬がしようとだよ、そ
れは飼い犬の自由さ、でもね、それによって他を侵害することは許
されないと思うんだな。つまりね、飼い犬をのびのびと育てたいな
らね。まず、飼い犬にね、のびのびとした大いなる自他共生のおお
らかな精神を持ってもらわないとね。

 まだよちよち歩きの子犬時代、離れていた犬に噛まれた経験のあ
るケンタクンは、以後飼い主の性格とかけ離れ・・・凶暴に(犬に
対してだけ)なりました。

 突然思いました。今週からのケンタクンスナップですが、子犬時
代からを何回かに分けて披露します。それももう・・ううう・・・
表現のしようがないほどカワユイ時代があったのです。

 あっ、初めての読者の方は、  このサイト http://www.bin-5.com/
から見れますのでよろしく。

 

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                    狂乱              1/17

 梅のつぼみが、小枝の先に芽を出し始めています。冬にしては暖
かい日が続いていますよね。なんとなく楽チン楽チンなどと思って
いた矢先にですが、いきなりあっちこっちのメディアで、とてつも
ない豪雪だの、ものすごい突風荒れ狂う東北地方だののニュースが、
この数日流され始めました。

 けれどもなんですよね、たしかにこの2・3日、少々と強い風が
吹いちゃあいるけれどもね・・・・うーーん、じっさいのところね、
東京にいるとさ、なんだかどんどん気候に鈍感になっていくのを感
じるんだな。

 とにかくさ、テレビのニュース映像なんかを見ていてもだよ、す
ごい大雪の中をね、高校生とおぼしき連中がさ、「ヤダー・キャヒ
」なーんか言いながらだよ、友達同士で歩ていたりするわけ、ちょ
いとばかし嫉妬するね。

 その嫉妬とだけどね、たとえば僕がその場にいたらだよ、たぶん
みっともなく背中を丸めてね、「寒」なーんていいながらさ、一人
寂しく足元を見ながら歩いていたりするのが予想できるのね。つま
りそのギャップだよ。しかもね、そのへんはさ、いい年したオッサ
ンなんだからといったね、そういう問題じゃあないんだな。

 さて年が明けて早々、友人の力(つとむ)ちゃんが、「俺、明日
からカナダへ行から」とメールを送ってきました。あのね、毎年こ
の時期に、カナダのゲレンデへ出かける彼を、いつもはそれほどう
らやましいとは思わなかったんだけど、けど今年は違うんだな。な
んだかさ、こう・・・うまく表現できないんだけど。「ウウオーー」
って声を張り上げる感じになったね。

 どうゆうことかと言うとね、つまり、たぶん簡単に言うと、大人
社会の弊害にね、漬けられ、埋められ、そして流されっぱなしの自
分にね、ちっとも気がつかずにいたんだと言うこと。

 そんでもってどこかで、そう僕の脳みその奥の方のどこかでね、
密かに、その何かによって、着実に毒されている自分に、やっぱり
その脳みその奥のほうの、こいつは割合カシコイヤツがね、ピーー
とか言って警笛を鳴らし始めたのかもしれないんだな、あんがいこ
いつは嬉しいことでもあるね。

 さて、急遽ぼくは決めました。その脳みその奥のほうの自分にね、
つまり密かにことが進行してしまわないように、警告してくれた脳
みそ君に感謝しつつ、恥をかかせないように、今年からは少しづつ、
とにかく意識して生きていこうと。変わりたくない何か、変わって
はいけない何か、そんなものに忠実にとね。

  
                                   深津 勝

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                 お正月                                 1/11

 もーぉいーくつ、ね・る・と・おー正ー月ーー、こんな歌も最近
はとんと聞くことができません。門松など、それこそ必死で探して
もみつかりません。あの自慢ですがね、我が家ではもうずいぶんと
昔から門松は欠かしません。ですからね、近所の悪がきにいたずら
されないよう、ケンタクンを玄関にハリツケテいるのです。

 ケンタクンもいつもより気合を入れて、家の前を往来する近所の
悪ガキを睨み付けています。今年もすでに悪ガキ意外にも3人泣か
せています。一人はアルバイトの郵便配達人、それからプープーう
るさい豆腐屋、あと一人は、正月なのに仕事なんぞをしている野暮
な物売り。みんな泣きべそをかいて退散退散。

 それはそうと、なんつったってびっくりなのはですよ。大きな声
では言えないのですが我が家のお隣、なんとお隣さんは、例のあの
クリスマスの電飾お飾りをですよ。正月も10日を過ぎるってえの
にね、まだ夜明けまでピカピカやってる日にゃあねえ、アータ、お
天道様だって目を白黒させてしまいますよ。

 もっとも我が家もそうとうなもんでね、クリスマスには隣と電飾
で張り合いです。けっこう町内では評判で、祭りの前後には日に何
人も見に来ます。そんでもってね、忙しいのは祭りの後、暮れの2
7日には、毎年植木屋が来ることになっているんでたいへん、大騒
ぎ。家族総出で電飾のお片づけです。

 そんな騒ぎがおさまると、なんと翌日にはあっという間に西洋の
祭りから日本の祭りへ大変身。ハハハ。だからね、どっちかってい
うと、お隣さんの方が筋が通っていてキチンとしているかもしれな
いな。そうそう、それよりも車につける飾り物がすっかり影を潜め
ましたね。あれも流行なんですかね。ちと違う気がするんだけどね。

 明日は成人の日だそうです。けどなんだな、やはり成人の日は1
5日にしておいてもらいたかったな。なんでもかんでもお上の都合
で勝手に物事をきめてもらいたくはないな。12日が成人の日だな
んてなんだかピンとこないね。それこそね、ただ休みは続いていた
方がよいということならさ、いっそのこと、その西洋のお祭りもで
すよ、暮れの30・31にしちまえばいいんだ。そうすりゃあ、う
んと続けて休める。

                      深津 勝

 

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               3階の小窓              1/02

 ガーガーガーガーと掃除機の音が階下から聞こえてくる。娘の部
屋だ。下の娘が家を出てからもう7・8年になる。誤解されると困
るので付け加えるが、家を出たと言ってもいわゆる家出ではなく、
ただ親元を離れた、そんなところです。

 それでも、とうぜん普段娘は家にはおらず、娘の部屋から掃除機
の音がするのは、それこそカミサンがたまに、ほんとうに気まぐれ
で掃除をするときぐらいなわけで、いつもは無人の部屋、カミサン
や長女の物置となっているのです。でも今日は聞こえてきます。ガ
ーガーガーガーと。音も違うようです。

 どういうわけでしょう、部屋も掃除機も同じなのに、なぜか違い
ます。軽やかで、さわやかで、おしとやかで、美しいのです。あ、
いえ、けっしてカミサンのする掃除が雑で、うるさくて、それでも
って乱暴だなんて、これっぽっちもおもっちゃぁいません。いませ
んとも・・ははは・・・

 そうです。なんと、年末に帰ってくるであろう娘の部屋を、普段
とは違う、あ、いや、モトイ。えーとですね、普段より格段に、そ
んでもって丁寧に、さらにおしとやかに、カミサンがお掃除をなさ
っている音が聞こえてくるのです。

 話は飛びます。今日は元旦、年末に帰ってくるはずの娘が、我が
家に到着したのは、とうに夜中を過ぎた新年になってからのようで
す。あいかわらず早寝の私は、大晦日も10時は就寝、年末には会
えませんでした。

 さて、さて、年が明けてからのそんな部屋に、いま娘が寝ていま
す。私の目の前にいます。

 いつ見ても我が家の娘たちの美貌には驚きです。どこぞの芸能プ
ロダクションから、ぜひ私どもの事務所で働いて欲しいなぞと言わ
れても、けっしておかしくない美貌です。やはりなんですね。血は
争えないと言うか、この辺はどうにも困っちまうな・・・・

 貴様ーーー!元旦からふざけるな!なーーんて声が、あっちから
もこっちからも聞こえてきそうですね。ははは、まぁお許しくださ
い。

 僕はそのまま、しばらく娘の顔を眺めていました。なんだか少し
ばかり疲れているようにも見えます。髪の毛は茶色、眉毛が上向に
切りそろえてありました・・・

 3階仕事部屋の小窓から眺める景色は、7・8年とほとんど変わ
りません。その間の子供たちの成長も、小さい時分とは違い、本来
はそれほど変わらないはずの年齢なのでしょう。でも違いますね。
もう娘は、僕の思っている娘ではないようです。それがいやだとか
困るとか、そんな気持ちはありませんが、ちょっと寂しいのは偽ら
ざるところです。でもそれは、感じる私の問題なのでしょうね。

 2004年が始まりました。皆様にとって良い年であることを念
じています。

                       深津 勝
 


 

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